メタボリックシンドローム

●高脂血症の診断基準に加えて、メタボリックシンドロームの診断基準はなぜ必要?
最近、心筋梗塞などの動脈硬化性疾患をひきおこすのは「高LDLコレステロール血症」だけでなく、内臓肥満に伴う「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」も多いことが、わかってきました。悪玉コレステロールだけでなく内臓脂肪も見逃さずにチェックして、動脈硬化性疾患に対して効率のよい予防策を確立することが、新たに診断基準を作った目的です。

リンゴ型肥満のイラスト

●「太めでちょっと高め」が危険信号!
特に「りんご型肥満(内臓脂肪型肥満)」の人にうかがいます。食べすぎや運動不足が続いていませんか?最近、おなかに脂肪がたくさんついてきて、なぜか血糖値や血圧、中性脂肪の値なども同時に少しずつ高くなってきていませんか?
あてはまる人はメタボリックシンドロームの始まりです。実は、おなかの脂肪は「ただのアブラ」ではありません。最近、内臓脂肪が増えすぎると異常な分泌物質を作りだし、糖尿病、高血圧、脂質異常症、高インスリン血症などを誘発することがわかってきました。これらはみな動脈硬化の原因ですから、軽い病気だろうと放っておくと、ある日突然、心筋梗塞などをひきおこすのです。

【危険因子の合併数と冠動脈疾患と脳梗塞発症の関係】
危険因子の合併数と冠動脈疾患と脳梗塞発症の関係

●診断基準
内臓脂肪量はおへその高さで測ります。血糖値、血圧、中性脂肪と善玉コレステロールも確認してください。

基本は内臓脂肪
  • 男性はおへそ周り(ウエスト周囲長)85cm以上、女性は90cm以上
     +
軽い合併症が二つ以上
  • 血圧が高い
    収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上のどちらか、または両方
  • 中性脂肪が多い
    空腹時高トリグリセライド血症150mg/dl以上、低HDLコレステロール血症40mg/dl未満のどちらか、または両方
  • 空腹時血糖値110mg/dl以上
    診断基準で、「胸囲:男性は85cm以上、女性は90cm以上」となっていますが、あくまでも目安です。この基準を達成できなければ食事療法、運動療法が失敗というわけではありません。腹囲を毎日気にしていただき、1cm減るだけでも効果はあります。
●なぜ腹囲の測定が基準になるの?
内臓脂肪を測るためです。CT画像を見ていただくと、腸を支えている腹膜の一部に脂肪がたくさんついているのがわかります。できれば内臓脂肪をCTスキャンで直接計ることが望ましいのですが、少なくともセルフコントロールが可能なおへそ周り(ウエスト周囲長)をもとに健康管理をすることがたいせつです。
●治療はどうすればいいの?
怖い病気ですが、内臓についた脂肪は運動・食事療法でわりと簡単に減らせます。患者さんの努力次第で治療効果も高いので、がんばりましょう。糖尿病、高血圧、脂質異常などと別々にわけて治療するだけでなく、動脈硬化のリスクの高い「メタボリックシンドローム」も早く見つけて、早く治療を開始することが大切です。

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